「2012」を観た!(ネタバレ的だったらごめんなさい)

ストーリーは正直言って読めます。
でも、この映画は絶対に映画館のスクリーンで見ないと勿体無いくらいの
超ド迫力!
市街地が、国立公園が、海岸線がメチャメチャに崩れてゆく光景は展開が読めていてもハラハラするし、その中を逃げ惑う人々の姿は胸に来るものもあるし、面白かったですっ☆☆☆
この映画に若干ネタバレ的副題を付けさせてもらっちゃうと、ズバリ
「ラッキー家族☆」
そんなお話でした。
基本的な主人公はジョン・キューザック演じる売れない小説家ジャクソン。
もともと世紀末的な内容の本を書いたこともあるせいか、こういう異変には鼻が利くところがあり、そこから始まる数々のラッキーのおかげで世界中を襲う天変地異をかいくぐって映画のラストの方までなんとか生き延びる。
ウラ主人公は科学者のエイドリアン。地味ながらも広い人脈を持ち、インドの研究仲間が発見した地球のマントル温度の異常上昇のデータをもとに天変地異を予測し、それをアメリカ政府に持ち込んだことで人類生き残り計画に関わることになる。
ちなみにこの役の役者さんはキウェテル・イジョフォーという名前で、「うわぁ、この読みにくい名前じゃ日本では人気出ないかも・・・」なんて思いつつも経歴を確認したら、えっ!?
「キンキーブーツ」でゴツくて可憐なドラッグクイーンを演じたあの人っ!?
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※ちなみにwikiだとドラッグクイーンではなく”ドラァグ・クイーン”と表現されているのだけど、どちらの表現でもOKなのかな?
正直今回の役はポストこそ重要だけど本人はフツーに実直な研究者という立ち位置の人で、あのドラッグクイーンがこんな姿にもなるのかと思うと改めて興味深く思い返してしまった。。。
この2人を主軸にして、天変地異を人々がどう乗り越えようとするのかを、かたや一般人ポジションから、かたや政府系ポジションからバランスよく描いている。
実はこの映画は150分以上もの長いお話だったのだけど、あっと言う間のテンポの良さだった。
似たような映画の系列でも”一般人の筈なのに主人公強すぎ”な「宇宙戦争」や”後半の主人公の行動が納得できない”「デイ・アフター・トゥモロー」や、お祭り的要素はまあまあだったけど話がやや薄かった「ディープインパクト」「ID4」「アルマゲドン」よりもホントにバランスが良かったと思う。
こういうテーマの映画はどうしてもどこかを掘り下げると他に回す尺が足りなくなってしまったり、見せ場を作るためにストーリーに無理が出たりしてしまいがちだけど、「2012」では程々にウラ話もいろいろあったことをちゃんと含めつつもそれをやり過ぎずに本筋を描けていたと思う。
そして、ビッグネームは正直登場しなかったのだけど、たぶんこのキャストのバランスの良さもいい感じだったんじゃないかと思う。
ジョン・キューザックの悪くないけど凄くもないダメお父さんに始まり、そのへんにいそうなちょっと美人の(主人公とは離婚した)お母さんがアマンダ・ピート、子供二人は無駄にうるさくなく可愛いモーガン・リリーとリアム・ジェームズ、お母さんの恋人役で、そこそこお金持ちそうなんだけど結構いい人なゴードン役のトム・マッカーシー・・・どれもそこそこ観る側には感情移入しやすいタイプ。
その他にもアメリカ大統領役にダニー・グローヴァー、ちょっと憎まれ役を買ってくれるけどもともと判断力はしっかりしている大統領補佐官オリヴァー・プラット名脇役!)、キレイどころとしては大統領の娘にタンディ・ニュートン(MI2のヒロインやった人)などなど、なかなかいい配役が粒揃いだったと思う。
それから・・・私が自分のブログで取り上げたからって特に売れるわけではなく、うっかりするとデスノート化しやしないかと心配しつつも今回気になったイイ男が。
ヨハン・アーブ、カッコよかったです☆

ロシアのお金持ちのお抱え運転手で飛行機も操縦できちゃう人の役(サーシャという名前)で出てました。
今まで他では見たことのない役者さんだなぁ〜と検索してみたら、「1408」に出てたのね♪
これまたジョン・キューザック主演のホラー(でしかもキング原作の評判良かったやつ!)に出てたんじゃん。
端役っぽいけど、これはやっぱり是非また観なくては!
・・・ということで、何だか今回は書いておきたいことがいっぱいあってまとまりに欠ける感想になっちゃったけど、とにかく個人的には観て損はしないオススメ映画でした♪
ただ、もしかしたら「話の終わり方が気に入らない!」・・・という意見の人もいるかも知れないので、誰かに薦める前提での評価を付けるとしたら、75点くらいかな〜。
近頃の不景気で世の中がちょっとイヤになっている人が見たらスッキリする?かも?

2012 オリジナル・サウンドトラック

2012 オリジナル・サウンドトラック

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(最後の最後で追加の感想を白文字にしてあります)
・・・で、最後にネタバレ的感想をひとつ。
最後の最後でジャクソン達は方舟への密航を試みてあやうく全員を巻き込んで死に掛けるわけなのだけど、そのへんからエイドリアンが「全員を助けなければ」と声高に言い始めた。
結局そのエイドリアンの意見は概ね方舟にいる人々の総意という扱いになるのだけれど、私自身が思ったのはこれが監督の最後の皮肉なのではないかということだった。
たぶん、その方舟にいる全員がいろんな形で周囲の人間を見捨ててその場所にいる状態にあり、その罪悪感を拭いたいとひそかに思っている人が多かったのではないかと思う。
そんな中で「助けなくては」という偽善を口にしてくれたエイドリアンの言葉に乗っかりたいと思う気持ちが、時間がない状況でありながらもその選択へ傾かせたのではないかと感じた。
監督はエンターテインメントとして大地震や噴火や洪水を存分に描きつつも、背景として人々がなすすべもなくどんどん死んでゆくシーンもきっちり描いていて、エイドリアンのその偽善的な言葉も、味付けはエンタでありながらも実は感傷まみれな人間の弱さを示す話として描いたんじゃないかな・・・?と思ったのでした。