「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」を観た

今さら観るなんて遅いよね・・・というくらいメジャーな名前が並ぶこの作品。
監督がスピルバーグで、主演がディカプリオとトム・ハンクス。脇にはクリストファー・ウォーケン
正直に言うと、映画館で見た予告編にあまりそそられなかったのだ。
なんとなーくだけど、
「あ、きっとこの映画、この予告編で流している部分だけで見せ場が終わってそう・・・?」
という予感がしてしまった。
過去にこれに相当する作品の事例としては、ジョン・トラボルタが主演した「マイケル」あたりかと思う。トラボルタ好きだから、怒りはしなかったけどねー。。。
どうも日本で配給される映画の予告編は、しばしば演出に失敗していることがある。
サスペンス映画なのにホラーみたいな予告しちゃったり、ブラックな作品なのに感動映画のように言ってみたり。
まあ、「そんなモノに踊らされちゃイカーン」と言われてしまえば、「ハイ、そうでした、ごめんなさい」としか言えないけどさー。
私としては、シャマラン作品(←私は好きなんだ)の不評さ振りなどは、このへんに文句を付けたいと常々思っていたりする。
・・・横道逸れちゃった。
「キャッチ・ミー・・・」は、予告編では追いつ追われつのハラハラドキドキ犯罪映画のように演出されていたという印象だった。
でも、違った。これはどちらかと言えばハートウォーミング系犯罪映画だ。
そういう風に正直に宣伝していれば、トム・ハンクス好きの私としては、ちゃんと映画館で観ただろうに・・・。
ディカプリオ演じる多感な高校生が、両親の離婚をきっかけに家出して、職業を偽って手形詐欺でお金を稼いでゆくお話。
トム・ハンクスは詐欺犯を追いかけるFBI捜査官役。
彼らの性分が丁度両極にあって、追われる側のおどけぶりと追う側の真面目くさりぶりの対比が時として小気味よく、また、二十歳になるかならないかの少年がウソで固めた生活を楽しもうとしつつも、結局寂しさから逃れられずにいるという描写が程よく滲み出ていて良かった。
単なる追いかけっこ映画にせず、犯罪の手口を緻密に再現し、犯人と捜査官のそれぞれの心情をきちんと掘り下げたいい作品だったと思う。
ビッグネームのイメージに少し惑わされてしまったけれど、作品としては小ぶりながらも、優しくて面白い犯罪映画だった。75点!