美容院へ♪

髪の毛が伸びた。暑かった。お金がないから髪を結んで耐えていた。しかし、遂に耐え切れなくなった。
「お母さん、美容院へ行きたいからちーちゃんをお願いしていい?」
「いいわよ〜。丁度明日からお義姉さんの初盆で旅行に出るから、その前にちーちゃんに会いたかったのよ。」
というコトで、本日急遽美容院へ行った。
今の住所へ引っ越してきて以来、今までは車で30分の場所にある、昔住んでいた地域の美容院に行っていた。でも、そこは駐車場がないことと、前回行った時に
「ご出産おめでとうございます♪抜け毛とかきっと大変な時期ですよね。短めにしちゃった方が便利ですよ?」
と言われて殆んどお任せでカットしてもらったら、”かなりイケてない雰囲気の杉田かおる”風にされてしまった。
モトが悪いからどうにもならんと言われてしまえばそれまでなのだけど、出産後で老け込んだ雰囲気になりたくないと思っていた気持ちに追い討ちをかけられたような気持ちになってしまったので、今回は違う美容院へ行ってみることにした。
自宅から車で5分の場所にある、程よく小洒落た雰囲気の美容院だ。
とてもマイナーな場所にあり、その小洒落た様子がなければ全く気付かないかもしれないような立地なのだけど、以前旦那さんに近所の美容院の情報を聞かれてなんとなくそこを教えたら、結構いい感じに髪を切ってもらって旦那さんが帰ってきた。
というコトで、新規店舗開拓である。
お盆時なので臨時休業とかしてないといいな、という心配は杞憂だった。午前11時頃に店を訪れると丁度お客さんが一人だけの状況で、すぐにカット台へ案内された。
「今日はどうなさいますか?」
私はこの質問が苦手だ。いつもあんまりちゃんと決めていないので。
それに、言っても内容がうまく伝わらなかった時とか、有名人を例える時の気まずさとかもイヤだったりする。
過去最大の失敗としては、漫画「トーマの心臓」のエーリクみたいな柔らかいパーマにチャレンジしたかった時に、どう表現していいのかわからず、
「絵画の天使みたいなナチュラルウェーブっぽい感じにしたいんですけど・・・」
と言って、見事に撃沈したことがあった。
トーマの心臓 (小学館文庫) ←こんな髪型をもうちょっと崩した感じ。
ごめんなさい、みんな私が悪かったんです・・・。
なので、近頃は具体的なコトはあんまり多くは言わないことにしている。
「襟足はさっぱりしたいんですけど、あんまり短すぎる印象にはしたくないんです。あとは適当に・・・」
とだけ説明した。
今回担当してくださった男性の美容師さんは、私のその言葉を了解した上で、
「そうですね、じゃあ、襟足以外はあまり長さを詰める感じにはせず、髪の量を梳いてもう少し軽めにしましょう。
・・・もしかして、妊娠中ですか?」
「はい。」
「じゃあ、あまり手間ヒマかけずにまとめ易くて、多少伸びてもよさげなカットにしてみますね〜。」
と言ってくれた。ちょっと安心。
早速ジャキジャキ切り始めた。
「最初はもう少し我慢して伸ばせば結んでまとめ易くなるかと思ったんですけど、髪が細いのか少ないのか、ひとつに結ぶとちょんまげみたいな貧弱さになるし、出産して以降は更にくたびれた雰囲気になってきて、結局我慢できなくて切りにきたんです。」
”ババくさくはなりたくない”という趣旨を汲み取って欲しくて、自分から少し話を持ち出した。
「じゃあ、もうお子さんがおひとりいらっしゃるんですね。おいくつですか?」
「0歳です」
「年子ですか〜、大変ですね。」
この美容師さんも実は既に複数の子供さんがいらっしゃるらしく、性別を超えてしばらく育児談義に花が咲いた。
いつも美容師さんと世間話をする時はなんとなく気を遣ってしまっていたのだけれど、この美容師さんとの会話では話を合わせるという感じよりも、ちゃんと情報交換として実のある内容で会話ができて、正直楽しかった。
この美容院はアタリかもしれないなあ♪
カットの出来上がりも伊東美咲風を少し短くした感じで、自分で言うとバカっぽいけど、新妻っぽい雰囲気があってちょっと嬉しかった。
また来ようっと♪
そうそう、きっと他の美容院でも言われたかも知れないコトだけれど、カットの合間に肩や頭をマッサージしてもらった時に、
「すごい(肩が)凝ってますね〜」
と言われた。
あんまり自分では意識していなかったのだけれど、そうか、やっぱり凝っていたのか。
そして、なんというか、こうして実際に体が疲れていることを実感として理解してもらって、その上で直接的に気遣いの言葉をかけてもらえたことが、なんとなくとても嬉しかった。
美容院っていいよなあ。これからもこういう癒しな場所であって欲しいな、と切に思う。