入院ですか・・・

本日は定期検診の日だった。
まあ、定期健診とはいえ、前回(2週間前)の診察では安静を心がけるようにとは言われていた。でも、そう言いつつも検診の間隔は普通に2週間後に設定されていたのでさして深く考えてはいなかったんだけど・・・。
診察を終えた先生が言うことには、こうだった。
「子宮頚管が2cmしかありません。血液検査の結果に炎症反応があります。切迫早産です。
今日入院してください。
・・・はい?
「あのー、まだ0歳の子供が自宅にいるので、自宅安静で対処できるものならばできる限りそうしたいのですが・・・」
とりあえず抵抗する私。
「どうしても止むを得ずそうされる場合には引き止められないですが、その場合は今後のことは保証できかねます。」
・・・はあ。
ぐじゃぐじゃ考えるのがキライな私は、こう言われた時点で入院やむなしと観念した。
観念したのだけれど、妙なもので、不覚にもその場で涙が出てしまった。
お腹の子供にはちょっと申し訳ないのだけれど、この涙は実は切迫早産に対する不安ではなくて、自分が入院することによってしばらく会えなくなるちーちゃんのことが急速に胸に迫ってきて、止められなくなってしまった涙だった。
切迫早産は確かに心配だ。
ただ、この先生が
「入院しないなら今後の保証はできない」
と言うなら、逆に入院して指示に従えば保証してくれる程度の状況ではあるということだと理解できたので、入院を覚悟した時点でお腹の子供に対する心配はあまりなかったのだ。
実際、エコーの様子では胎児そのものについては全く順調で、要は私の子宮がちゃんと正産期まで持ち堪えればいい、という話なのだ。
対して、ちーちゃんは今まさにどんどん成長を続けていて、いつ歯が生えるか?いつひとりでたっちできるようになるか?いつそれっぽい人語を話すようになるか?という状態にあり、それなりに私の気力体力をヘロヘロにしてくれているものの、それ以上に可愛くて仕方がない毎日だ。
”入院”という言葉をいきなり自分の鼻先に突き出された時、見慣れている筈のちーちゃんの笑顔や仕草がむやみやたらに頭の中を占領し出して、どうしても泣かずにはいられなくなってしまった。
私は泣くのがキライなので、こういう時は声をたてずに泣く。
なので、診察室の外にいる他の患者さんに悪い影響を与えずに済んだであろうことだけは不幸中の幸いだったけれど、私の様子を見てお医者さんは急にバツが悪そうにへどもどし始めてしまうし、回りの看護婦さんにも気を遣ってもらってしまい、泣きながらも恐縮するばかりだった。
なんとか呼吸を整えて、自分の両方のほっぺたを叩いて気を引き締めなおして診察室を出て、自宅でちーちゃんと一緒に留守番している母に電話をして、切迫早産で入院すること、いつ退院できるかは未定であること、その間ちーちゃんを預かって欲しいこと、それから、入院のための身辺の品を持ってきて欲しいことを伝えた。
旦那さんにはメールで連絡。
必要な連絡をひととおり済ませたところで早速入院する産科病棟へ案内してもらった。
7人部屋で、同室の皆さんは全員いろんな理由で切迫早産で入院した人とのことだった。
さすがにまだ気分は落ち込んだままだったので、自己紹介は名前くらいだけで済まさせてもらって、昼食をとったら早々に寝させてもらった。
かなりぶっきらぼうな態度だったと思うけれど、やっぱりみんな”切迫早産でいきなり入院”を既に経験している人ばかりだったせいか、その辺りは心得てくれているらしく、入院当日はいろいろ話しかけられることはなかった。
とりあえず、母が病院に来てくれるまでの間は寝続けた。