旦那さん、たのんますわ〜

入院するという連絡をしてから4時間後に母が病室に来てくれた。
連れてきてくれたちーちゃんの様子は元気そのもので、嬉しいんだか寂しいんだか、また泣けてしまいそうになったものの、そんなコトよりさっさと退院できるように頑張らないと!という気持ちに切り替える励みにしようと、ここぞとばかりに精一杯のスキンシップをしておいた。
とはいえ、この時点で既に24時間持続点滴が腕にくっついていたので、あんまり抱っこはできなかったけど。。。
それにしても、結婚して世帯を別にしているというのに実家に頼るのは情けない。
情けないけれど、やっぱりこういう時に実家とか親族とかを頼りにできるのは本当に嬉しい。
今までは、もしも実家の両親の健康に何か心配が起きた時には漠然と「サポートしないといけないよね」と思っていたけれど、自分がされてみて、初めてそれを漠然とではなく、絶対にしないといけないことだと心から思った。
家族のことは、やっぱりなるべく家族に頼みたい。
ちーちゃんのことを安心してお願いできる両親で本当に良かった。
・・・なーんて言いつつも、持ってきてもらった着替えの下着やパジャマのちぐはくさには実はかなりケチをつけてしまった。
まだ9月中旬で最高気温は30℃というのに、冬用のパジャマだったり、お願いしたTシャツが京都で購入した九字の手形をプリントしたやつだったり、下着が産後の授乳用ブラや透けたら困るような色のキツイやつだったり・・・。
ほんの2〜3日の入院なら頑張ってやり過ごせるけど退院の日取りが未定という状況なので、お願いしたひけ目はあるものの、やっぱりダメ出しはさせてもらった。
それから、母がちーちゃんを連れて帰ったのと入れ替わりに、旦那さんが会社を早退して病院に来てくれた。
普段物事に対する反応がかなり遅い旦那さんが早退をしてくれたというだけで、十分心配してくれたことは理解したものの、やっぱり旦那さんらしく、私を目の前にして何をどう言えばいいのか解らなくて、とりあえずの挨拶をしたらそれきり黙ってしまった。
なので、まずは切迫早産と診断された理由、そして入院期間が未定であること、入院中は早産を未然に防ぐために子宮の収縮を抑える薬(ウテメリンがメジャーな名前だけれど、どうもジェネリック薬品らしい”フレムーブ”という薬が処方された)を24時間点滴してもらって、安静を保ちつつ状態が改善されるのを待つのだということを話した。
したらば旦那さん曰く、
「なんだ、ただゴロゴロしていればいいんだ・・・」
おいコラ。
「してればいい、じゃなくて、それしかできないんだよ。」
と訂正させてもらった。言ってるうちにムカついてきたので、更に続けて言った。
「ちーちゃんがまだ小さいのに、いきなり両親に預けて離れなきゃいけなくなって、こっちは心配やら情けないやら寂しいやらで最悪なんだよ。
それに、うちらはまだ私の親が近くに住んでいてすぐにちーちゃんをお願いできたからラッキーだったけれど、もしこれがうちら夫婦どちらも実家から遠かったらもっと大変だったんだよ?本当なら旦那さんがしばらくは定時退社や時短して一時保育を頼るとか、最悪育休を取るとかしなければいけなかったかもしれない。
・・・まあ、もし実家が遠かったとしても多分助力してくれたとは思うけれど、本来ちーちゃんはうちら二人の子供なんだから、自分らでこういうトラブルに対処できるようでなきゃ、本当はダメなんだよ?
ちーパパ(←とりあえず臨時でうちの旦那の呼び名にしてみた)は安易にうちの両親にちーちゃんの世話をお願いできると思って安心してるけど、基本的にはこういう時はできるものならちーパパが率先してちーちゃんのお世話をしないといけない筈だと私は思ってるんだけど、ちーパパはそれができる?一家の主としてそういう責任をちゃんと考えてるの?」
一気にまくしたてたら、またも旦那さんは黙りこくってしまった。
・・・・・・
はぁ。
わかってる。うちの旦那さんは悪意はない。ちょっと考えが足りないだけ。
そして、私が望むよりも遅いスピードで物事を考えているだけ。
理解できたら、ちゃんとしてくれる筈ではあるんだ。
まあ、急なことで本人も困っている様子ではあるので、不本意ながら最後は結局、
「私も早く退院できるように頑張るから、ちーちゃんのことをよろしくね。
・・・しばらくは一人で寂しいかもしれないけれど、頑張ってね。」
と励まして、旦那さんを送り出した。
今日はここ数年で一番気持ちがヘロヘロになった日だった。
でも妙な話、最後に頼りない旦那さんに会って話をしたことによって、自分がただいじけて病院でゴロゴロしているばかりじゃいけないという気持ちに切り替えることができた。
旦那さんがテンパってしまわないうちに退院しなきゃ!
と、心に誓った。