出産!詳細バージョン

前日夜は「大奥〜華の乱〜」を観たら旦那さんが帰ってくる前にサッサと寝てしまおうと思っていたのに、そんな時に限って旦那さんは比較的早く帰ってきた。
お腹の鈍い痛みがあったことでまだお夕飯を食べていなかったものの、旦那さんと同じタイミングで夕食を食べるのも腹立たしかった(前日の喧嘩の影響)ので、空きっ腹を隠しつつドラマ終了とともに夫婦の会話は殆どせずにベッドに入った。
・・・そして当日2時半。
ズキン!
というありがちな腹痛から始った。でも、漫然と続いていた痛みよりもハッキリ違いがあったので、なんとなく目を覚ました。
時間を確認。したと同時に痛みが止んでしまった。
えー?せいぜい10秒か15秒くらい?
な〜んだ、と思ってまた寝直したら、もう一度同じ様に痛みが来た。
時間は2時35分。
またも15秒くらいの短時間の痛み。痛みの強さはさほどでもない。先日の前駆陣痛の1/3くらいじゃないだろうか?
・・・・・・う〜ん。
とりあえずおトイレへ。
するとまた腹痛。
2時39分。20秒くらいの軽い痛み。
リビングの電気を点けて、入院道具を確認することにした。
ほぼ出来上がっていて、後は携帯電話の充電器や普段使いのスキンケア用品を入れるくらいかな。
あと、そうそう、デジカメのメモリスティックの予備を。。。
なんてやってるうちにまた腹痛。2時43分。
入院すると、1回しかシャワーを使うチャンスないんだよね。
お風呂入ろうっと♪
本当に軽いシャワーで済ませたものの、その間にも2度腹痛が来た。
痛みの度合いが割と軽いからちょっと自信がないのだけれど、これは陣痛だろうか・・・?
しかし、間隔は5分あるかないかで短い。
これで急変したらコワイよなぁ・・・。
3時過ぎにシャワー終了。ドライヤーで髪を乾かしていたら、ちょっと強めの腹痛がやってきた。
ちょっと寒い格好しているのがいけなかったのかな?
さて、ここでちょっと考えた。
実は、この日は自宅に車がなかった。車検に行っているのだ。
どうせ気の効かない旦那さんだけど、そういうコトなので今夜はドライバーとしては役に立たない。
とはいえこの時間に実家へ電話をするのは気が退けた。
夜中3時過ぎだしちーちゃんがいる。それに、もしかすると電話しても起きないなんてツワモノかもしれない。
そのうえ来てもらって結局空振りだったら申し訳ないし・・・。
ということで、この辺りからそろそろ痛みが強くなり始めたので104は使わずにPCを立ち上げてiタウンページでタクシー会社の電話番号を探すことにした。
このへん用意ができてない自分をちょっと反省・・・している間にまた腹痛。
いや、もうそろそろ陣痛と呼んでもいいのかな?
タクシー会社の番号を3つ程メモしたところでいよいよ決断すべきか考え始めた。時刻は3時半になるところ。
・・・とりあえず産婦人科へ電話した。
「すみません、痛みはまだ我慢できるレベルなんですけど、5分間隔の痛みが1時間くらい続いているんですが。」
「診察券の番号を教えてください。それから、経産婦さんですか?」
「はい、2人目の妊娠です。番号はXXXXXです。」
「お待ちください。」
待たされること1分程度。
だけどこの時、急に強烈な痛みがお腹にやってきた。
「お待たせしました。もしもし?」
「はい、・・・すみません、痛みが強くなり始めてきました。
やっぱり陣痛だと思うんですけれど。」
「・・・そうですね〜、とりあえずこちらにすぐ来られたいですか?
それとももう少し様子を見られる感じですか?」
「・・・・・・30分くらいなら様子見できそうなので、4時くらいまで待ってみます。」
初めての陣痛だったので、ちょっと弱気に判断してしまった。
ということでいったん電話を切ったものの、ここからはお腹の痛みが強烈なままになってしまった。
痛みが続く時間は多分30秒から1分くらいで、しかも5分間隔よりも短い気がする。
うわー、やばい。
痛みのレベルがこうなる前までは、こっそりタクシーを呼んで旦那さんに黙って産婦人科へ行ってやろうかなんて意地悪なコトを考えていたのだけれど、この状態で一人で動くのは各方面に迷惑をかける可能性があることを考えて断念した。
寝室で未だに眠っている旦那さんを遂に起こした。
「ねえねえ」
「・・・・・・んーーー?」
「陣痛来てる」
「・・・・・・うーーん」
産婦人科行ってくる」
「・・・・・・・・・・僕はどうしたらいいの?」
「・・・好きにすれば?」
陣痛の痛みに耐えている時に、無駄な労力を使った気にさせられた。(▼▼#
あー、くっそーっ!
・・・と思っていたら、やっと寝室からリビングに旦那さんが出てきた。
労力は少しでも省きたい。
「じゃあ、とりあえずここにメモしてあるタクシー会社に電話して呼んで。」
「3つあるけど」
「XXがいい。産婦人科の所在地が主な営業区域だから。」
産婦人科の所在を知らないタクシーが来てしまったら、地図オンチの旦那さんでは運転手さんをナビできない。
こんな状態でもヘンに冷静な自分がむなしい・・・。
そんなことしている間にも陣痛の痛みはかなり強くなってきていた。
正直初めての痛みなので、どう表現していいのかわからない。
けど、凄くしんどくて苦しい。鋭い痛みではないのだけれど、強い痛みのラッシュと言えばいいんだろうか?
旦那さんがタクシーを呼んだのを確認したところでこちらも産婦人科へ電話した。
「痛みが強くなってきたのでタクシーでそちらに向かいます。よろしくお願いします。」
「はい、お待ちしています。」
冷静な看護婦さんの声がとても頼もしかった。
タクシーはほんの5分程度で到着してくれた。電車の走っていない夜明け前の時間帯で良かった。
しかし、アパートの2階からタクシーに乗るまでの間に1回陣痛を見送ったので、タクシーに乗るまでの時間が長かったような気がする。
そして、私の様子がかなり切迫している雰囲気だったらしく、運転手さんをちょっと急かしてしまったようで申し訳なかった。
産婦人科までの道のりは昼間だったら40分くらいなのだけど、この時間帯なら15分ちょっとかもしれないところで、しかしそんな時に限って目の前に塞がる先行する車が、廃材らしきものを載せたしょぼいトラックでトロトロした走りを続けていた。
タクシーの運転手さん、ちょっとキレ気味。(^_^;
陣痛の痛みが少し引いた隙を見て、
「まだ大丈夫ですから。」
と声をかけてみた。
そしてふと、タクシーに乗る時にはバスタオルを念の為敷くくらいの気持がありながら、自分自身は夜用ナプキンではなくパンティライナーを付けているというポカをしていることに気が付いた。
ああごめんなさい、運転手さん。私の方こそ気をつけます。
・・・と冷静に心の中で謝るものの、そんなくだらない話をする程は余裕はなかった。
そしてやっと産婦人科へ到着。エレベーターで2階の分娩室前へ。
とりあえず座って待つように言われて座ったものの、病院に着いたという安心感で踏ん張りが利かなくなってしまったようで、急激に破水でも起きそうな圧迫感が股間にやって来るとともに陣痛も襲ってきた。
うわーっやばい!
そろそろ分娩台に乗せてください!
と言っても今はどう頑張っても動けません!
このへんから段々支離滅裂になってきていた。
とにかく何とか陣痛の波をひとつ越えたところで分娩室へ通してもらい、下の服だけ脱いで分娩台に上がったら、助産師さんは冷静そのものだったけれども、
「子宮口ほぼ全開です」
と宣言してくれた。
ああ、全開ですね。
じゃあ、もう産んでいいですね?
んが、どうも私の子宮口は病院側の予想よりもせっかちさんだったらしく、その時に先生が電話で呼び出されたようだった。
先生が到着するまではできればいきみを逃がしておきたかったらしく、陣痛が来る度に、
「yaguuuさん、冷静に、深呼吸して〜、力を抜いて、私の方を見てくださいね〜」
と言われたものの、何回目かでもう我慢できなくなってしまい、
「ううううう駄目ですぅぅぅぅ〜〜〜〜〜!」
と自ら宣言して、陣痛の痛みに耐えられずにいきんでしまった。
「ああ、先生間に合わないですね、ハイ、出てきましたよ〜。」
怒られちゃうかと思ったけれど、すんなり出てきた娘の様子を明るい調子で助産師さんが教えてくれた。
「えっ?もう?」
と、このタイミングでどうやら旦那さんが分娩室にやってきたらしい。
破水と同時に出産!
会陰が切れてしまっていたら痛いだろうかと心配していたけれど、産む瞬間はツルンという感じで、どうやらあまり切れずに済んだ様子だった。
最後まで間の悪い旦那さんには素直に笑顔にはなれなかったものの、生まれた子供の可愛らしい顔立ちに喜びひとしおな表情でいるのを見て、とりあえずややこしい文句はしばらく封印することにした。
分娩台に上がってから多分20分くらいしかしなかった超スピード出産。
ちーちゃんが誘発で出産したのを考えるとえらい差だったけれど、やっぱり切迫するだけあって、本人はどうしても早く世の中に出てきたかったのかな?
名前は以前の宣言通り、私が決めた。
ゆーちゃん、お誕生おめでとう!
頼もしいパパとママとは言えないけれど頑張るから、ゆーちゃんも頑張って、一緒にスクスク成長しようね!