「赤ちゃんの逆襲」を観た(DVD)

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作品紹介の文章を読んで興味をひかれたものの、フランス映画ということで「グダグダなストーリーのコメディかも・・・」と思いながら恐る恐る借りてみた。
先に評価を言ってしまうと、51点
良かった部分と悪かった部分が入り乱れているのだけれど、ラストが良かったので、なんとか良い方の評価で落ち着いたと。
ストーリーをざっくり説明してみよう。(でもフランス映画ってたいていそのざっくりが難しい・・・)
建築家を目指しているのだけれどうまくいかなくて、街頭で似顔絵を描いてその日暮らしをしている冴えない若者・シモンが主人公。
ある日、シモンは街中で自分が昔デザインした建物が建設中であることを知る。
自分のデザインを盗作されたと思ったシモンは建設会社に乗り込み、社長のヴァンサンに詰め寄るが相手にされず警察を呼ばれてしまい、警察から逃げようとしたはずみでヴァンサンの車にはねられて死んでしまう。
そして、気がつけばなんとヴァンサンの生まれたばかりの息子(赤ちゃん)になっていた!
憎い相手が自分の父親になったことを嫌い、父親の顔に向かって吐いてみせたり夜鳴きをして寝かせないようにしたり、挙句の果てには「お前が死んだら私も死ぬ」というヴァンサンの言葉を聞いて、自殺を何度も試みたりする。(が、これは全て赤ちゃんならではのイタズラと周囲に認識されていて、唯一父親だけがそのことに気づく)
育児に父親が本格的に悩み始めた時、赤ちゃんが誘拐される事件が起きて・・・という流れ。
メインの赤ちゃんと父親以外にもいろいろな登場人物が絡んできているのだけれど、一途に赤ちゃんを大事にしている父親以外はみんなあまりいい性格をしていない。
主人公は思い込みで父親を憎んでばかりだし、母親は育児放棄、祖母はガサツ、家政婦さんはコソ泥、シモンだった時の恋人は実は二股かけてて、その相手の男はシモンの友人で万引きで生計を立てる小物の犯罪者。
なーーーんか、話がここまで来るとどうにも辟易してきてしまうのだけど、それでも観つづけることができたのは、ひたすら父親役のティエリー・レルミットが渋くてカッコ良かった♪(エド・ハリス系)ことと、シモンのブラックな心の声がなければ赤ちゃん自体はとっても芸達者で可愛かったから。
そして最後の方は、辟易させられた分だけ「ああ、良かった」と思わせてくれるオチ。予想のつくオチではあったのだけど、オチの見せ方がなんかヨカッタ。
最後の最後にまたシモンが意地の悪い呟きをするのだけれど、多分言うだけで、もうそんなコトはしないだろうな、なんて思った。(いやそれはシモンの暗い性格を読み違えてるか?)
是非是非オススメ!・・・とまでは言えない作品なのだけど、イイ男ティエリーの健気で素敵なパパぶりは、機会があれば観てみて欲しいです。
フランス映画って、設定がハッキリしている(アクション・SFや歴史系)もの以外はたいてい映像とか恋愛描写ばかりを優先して話はグダグダか不条理なものが多い印象なのだけど、コレはまずまずの仕上がりだと思う。
ティエリー・レルミットが出ている映画を他にも観たいと思ったのだけど、多分フランス映画なんだろうなぁ。。。
また恐る恐る借りてみるかなぁ・・・?(^_^;