妊婦たらいまわしで極論まで行ってみた

近頃妊婦が救急車で病院をたらい回しにされるという問題が起きているそうな。
それはまあ、お気の毒である。
普通のニュースとして報道されている内容の範囲からだと、純粋に「お気の毒で、妊婦や胎児が可哀相」という話なのだけど、○ちゃんねるでも語られているように、この問題にはウラがある。
たらい回しになった妊婦には、殆どかかりつけの産婦人科医がいなかったのだそうな。
この言葉では、男の人なんかはよくわからないかも知れないと思うので、もうちょっと具体的な言い方をすると、トラブルになった妊婦さん達は、妊娠してから1度も(いや、妊娠しているかの確認のために1回だけなら行ったカモ?)産婦人科のお世話になっていないということである。
つまり、妊娠中ずーっとどこの病院でも検診を受けず、いざ流産の危機か産気づいた時になって救急車を呼んだと。
正直な感想を言わせてもらえば、そんな妊婦さんがたらい回しにあっても、胎児には同情できても、妊婦には全然同情できない。
それは基本的には妊婦の責任だと思う。
↑はあくまでも私の主観ではあるのだけれど、一応主観の根拠として、私が認識している一般的な妊娠〜出産過程の話をしてみよう。
まずは妊娠初期の頃、自分の体調や生理の状況の変化に気づいて産婦人科へ行ったり検査薬を使うのは概ね妊娠6週あたりからなんじゃないかと思う。
胎動のことを考えたら、どんなにニブい女性でも、20週あたりまでには自分が妊娠していることに気づくと思う。
(臨月まで気づかなかったという話が稀にあるけれど、それは極めてレアなケースとしてここでは省かせてもらう)
そして、「妊娠」というコトに関する知識が皆無な女性で無い限りは、普通は恐らくはこの間に最低でも1回は医者へ行く筈だと思う。
少なくとも、妊娠したことによって発生する体の違和感にはどんな女性も不安を覚えるものだろうから。
(そして、何某かの事情がある妊婦だったら、この初期のうちに出産を諦める決断をすることもある)
で、妊娠が判明して出産する決意を持ったら、妊婦としては日々自分の体内で育つ胎児の状況を把握したいものだと思う。そして体調が悪ければまたいろいろ心配になると思う。
だから、産婦人科医としても妊娠初期なら月に2回以上、安定期なら月に1回程度、検診に来るように妊婦に言うのが一般的だ。
妊娠って難しい。妊婦本人が元気でも胎児がそうとは限らないし、その逆もある。
だから、妊婦が主観だけで「お腹の子供は大丈夫」なんて都合よく考えるのはおかしいと思う。
まともに安心して胎児の様子を確認しつつ臨月を迎えたいと思うならば、かかりつけの産婦人科医を妊婦が持つのは当たり前のことだと思う。
妊娠後期になる前くらいにはどこの病院で出産するかを決めて、多くの場合はその出産予定の病院に事前に入院費の一部を支払っておく。
そうして臨月になったら入院出産用の荷物を自宅に用意し、いよいよ産気づいたら家族の運転の車で、かタクシーを呼ぶかなどして病院へ行き、出産に至るわけである。
私はこの過程を今までに2度経験しているのだけれど、この過程に行った事柄で無駄だったものは何一つないと思っている。
・・・で、かかりつけの産婦人科医のいなかったたらい回し妊婦の事情をいろいろと類推してみよう。
考えられることとしては、

  1. 妊娠に気がつくのが遅く、救急車を呼ぶ段階になって初めて妊娠していることを知った
  2. 産婦人科のある病院が近隣になく、忙しくて遠くの病院まで検診に行くタイミングがなかなかなかった
  3. 妊娠していることを周囲に隠したかった
  4. 妊娠していること自体どうでもよくて放置していた
  5. 検診にかかるお金がもったいなかった
  6. そもそも妊娠・出産にお金をかける気がなかった

私の想像力で思いつくのはこんなトコロなんだナー。(-_-)
私の狭い心では、同情できるのは2までです。
その他については、その時点で既に胎児に対して親としての責任をまともに取る気持ちを持ち合わせていないんだなー、という判定。
※※※注意※※※
今回のニュースにあった妊婦がこれらに該当するかは不明です。
私としては特定の個人を非難するためにこのような話をしているのではありません。
この文章をお読みの方にはその点をご理解いただけますよう、
なにとぞ宜しくお願い申し上げます。
※※※※※※※※

いや確かに、妊娠・出産にはお金はかかるよ。
定期健診は1回につき5000円くらいかな。他にもいろいろ検査されればその都度お金がかかる。
でも、普通の妊娠に関する医療行為は保険対象外だから、いろんな検査については妊婦が「お金がないので困ります」と言えば、あこぎな医者でなければ渋々でもある程度は診療内容を取捨させてくれると思う。
ケチケチして検診を2ヶ月に1〜2回に留めて、出産は助産院を選んだら、臨月までつつがなく行ければ30万くらいでなんとかなるかなぁ。。。
それから、ありがちな話の展開だけど、妊娠・出産に関わる行政の補助制度はいろんなところである。
だから、多分経済的な事情を病院なり役所なりできちんと相談すればそういう制度(例)を紹介してくれる筈だし、そのへんの手間を面倒がらなければなんとかなる金額なんじゃないかと思う。
そのへんの手間ヒマを嫌がる妊娠・出産となると、どうかねぇ。。。やはり私としては同情する気になれない妊婦に分類してしまうなぁ。(-_-)
そして、そういう妊婦に関わることによるリスクを嫌がる病院があるのも仕方のないことだと思う。
リスクを嫌がる・・・という言葉に問題があるのなら、他の言い方をしてみよう。
そういう、妊娠に関わるリスクにきちんと取り組んでいない妊婦の相手をするよりも、自分の病院にきちんと通っている妊婦の方を優先したいと思うのは仕方のないことだと思う。
そうそう、蛇足な話かも知れないけれど、
「出産一時金が出るから、それでなんとか出産費用の帳尻を合わせればいいじゃん」
と思う人がいるかも知れないけれど、私の記憶が正しければ、これはきちんと健康保険料を支払っている前提でないともらえないお金だったと思う。
※↑(9/14加筆:すみません、どうやらとにかく健康保険に加入していれば、保険料を滞納していても一時金はもらえるみたいです。ただやっぱり健保に加入してなければアウトのようです。)
で、○ちゃんねるで槍玉になっていたのが、”臨月まで医者にかからず、出産は救急車でテキトーな病院に運んでもらって、産んじゃってから「お金がない」と言って入院費を踏み倒す気で最初からいたDQN妊婦”という分類である。
・・・頭イタイ。
切迫早産で入院した時、妊婦もイロイロなんだなぁ〜と思ったものだったけれど、それは”妊娠・出産への意気込みの違い”についてだった。
今回のニュースでは妊娠とお金についてもイロイロなんだなぁ〜と、思い知らされた。
妊娠・出産って、お金や手間ヒマをケチるような話じゃないと思うんだけどなぁ。
だって、そんなコトして一番可哀相なことになるかも知れないのは、自分じゃなくて、胎児じゃないか。
それなのに、そういうリスクを子供に背負わせてまでお金をケチりたいものなのかなぁ・・・?
・・・・・・
・・・えーと、なんか想像だけの批判をあれこれ並べ立ててしまったけれど、○ちゃんのノリで私なりに窮余の策を提案。
妊娠は一人ではできない筈なので、お相手の男性の方、とりあえず、彼女が妊娠してしまったら結婚してあげませんか?
んで、出産前後の数ヶ月の間だけでも、とにかくどこかの会社の正社員になるかして、健康保険に彼女をきちんと加入させてあげましょう。
したらばとりあえず、出産一時金はゲットできるから。
で、とりあえず出産に関する経済的な問題をなんとかしのいだあとは、離婚するもよし、赤ちゃんを見てから今後を考えてみるもよし。
なんかええかげんな話かも知れないけれど、金銭面だけでもこれで子供に対して多少の責任を果たせるのならば、ちょっとくらい戸籍を使ったっていいじゃないか。(←男女ともにねー)
・・・というか、これを書いていて更に考えたのだけど、妊娠・出産って女性にばかり負担が大きいじゃないか。
だから、妊娠させた相手の男性に対しては、妊婦を出産まで経済的・精神的に援助する義務を法的に課したらいいんじゃないかなぁ?
(最初は女性側に、男性に対する”結婚請求権”を与えることを考えたけれど、結婚に関わる問題が多すぎるから止めた)
できれば出産費用分くらいの罰金などの、罰則規定有りで。
それで男性側がバックレたらとりあえず行政で援助してあげて、ツケは行政から男性側に回してもらうようにすると。
そういう制度ができれば、妊娠・出産に対する認識を一般的に重くすることができて、みんなもっと慎重に大事に家庭計画を考える考えるようになるんじゃないかなぁ。。。(ストレートに言えば、男性側のやり逃げ抑止や、男女ともに避妊を真面目に考えることを促すと)
なにはともあれ、救急車に乗ってからどうするという水際作戦だけではダメだよ。
もっと、本人も相手も行政も医療機関も、胎児の先行きを大事に考えるための対策をしなきゃ。。。