「王妃の紋章」を観た!

実はかなり前なのですが、「王妃の紋章」観ましたよ〜、アンナさん♪
いやなかなか、ステキでした♪
正直、ストーリーは昼ドラ系昔話って感じでカンタンなのだけど、そのストーリーの簡単さとはうらはらに、重厚な映像とキャストの力強さには圧倒されました!
いちいち人によって詠われる時報とともに、きらびやかな宮殿のそこかしこが映し出され、王妃が薬ひとつ飲むにも美しい女官の隊列がやってくる。
その豪華絢爛な宮殿にふさわしい装飾をほどこし、それに負けない美貌とプライドを持つ王妃。
顔は全員そこそこ及第点の男前の王子が3人、宮殿では何をするにも世話を焼かれっぱなしっぽいのだけれど、実は相当強くて腹黒い王。
宮殿にかしずく女官達もみな美人で胸の谷間がドーン♪
チャン・イーモウの作品について良し悪しをいろいろ言う人がいるけれど、今まで私が観た作品を基準に言わせてもらうと、彼の作品は立派だと思う。
私の主観の話で恐縮ではあるのだけれど、私が映画に最も求めるものとして、「世界を作れる」作品であるという点があって、それについては文句なし!だと思うからだ。
その映像を観始めたら、私の名前がyaguuuだとか、ここは映画館だとか、今は2008年だとか、そういう事柄に関する意識がスポッと抜けて、その映画が見せてくれる映像や空気に入り込めること。そういう力のある作品こそ是非映画館でゆっくり観たいと思っている。そして、「王妃の紋章」はそういう力のある作品だと思った。
ただ、そういう力のある作品である分、決してハッピーエンドではない終わり方をしているので、見終わった時に肩凝り感を持つ人もいるんじゃないかな、とも思う。
なので、泣いたり笑ったり喜んだりという、「ストーリーで感動したい!」という人には微妙にオススメしないけれど、映画館で迫力のある映像に感嘆したいという人には是非っ!の作品です♪
・・・とはいえ、個人的には薬係の蒋医師(じいさん)にはかなりホロッときた。あと、その娘が可愛かったなぁ。彼女にはもっと出世して欲しい。
それから、このストーリーに込められたテーマとその映像美にはしっかりとした共通点があって、イーモウ監督はただ華美な映像を作ろうというだけではないセンスを持っているんだなぁ、と思った。
ストーリーの説明で、中国の古語「外は金銀宝石。内はクズ」という言葉が時々引用されているのだけれど、豪華絢爛な宮廷や衣装の装飾は確かに美しいものの、私からすると、どうにも「快適そうには見えないなぁ」という感じだった。
美しく見せてはいるのだけれど、それは見せることを目的に為されているものばかりで、決してそれを纏う側のために施されているように思えないゴテゴテしたアクセサリ、重そうでキツそうな衣装、きらびやか過ぎて落ちつかなそうな居室。
そういう印象の美しさを敢えて前面に出しているのもイーモウ監督の思惑通りなのかと思うと、なかなかの手腕だと思う。
ということで、個人採点としては70点♪
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