アメリカで出産?

他の方のブログにあった話題なのだけど(いりーさん、失礼致します)、
アメリカ留学中に出会った日本人と台湾人のカップルが結婚して、いったんは日本→台湾で一緒に暮らしていたものの、出産予定の子供にアメリカ国籍を与えるつもりで臨月の奥さんをアメリカへ向かわせて出産を果たそうとしている」
というものがあった。
医療にかかる費用が高く、また、出産時の入院期間が平均2日程度というアメリカで外国人が出産するのは、正直ハイリスクと思われる。
それでも、国際結婚で難しい事情を抱えていたり、母国が政情不安定な国の人などはどうしてもアメリカ国籍が欲しいと思うのかなあ?・・・なんて思ったりもしてみたものの、ふと、
「本当にアメリカでは、本国で生まれた子供はみんなすぐアメリカ国籍を取得できるものなのかな?」
と疑問に思って調べてみた。
・・・・・・
・・・本当らしい。
生地主義”という考え方で、特に滞在期間がどーとか、親の国籍がどーとかの制約ナシで認めてもらえるらしい。
但し、厳密に言うと、
「出産してアメリカ国籍を子供に与える目的でアメリカへ入国することは違法」
なのだそうだ。
入国目的の分類がいろいろあって、日本人ならもちろん観光目的で3ヶ月間の滞在が認められていて、その期間内に産むという計画は可能といえば可能らしいけれど、実際には妊婦が長期間の観光目的入国をしようとすると、アメリカ入国時に入念に入国目的の確認をされるらしい。
(やはりテロ事件以降、入国にはピリピリしているみたいだし)
そして、「出産目的」がバレたら国外退去または強制送還とのこと。
そういう措置が取られた場合、その結論になる前になんとか子供にアメリカ国籍を与えることができたとしても、一度法に触れた親の方は、長い期間アメリカ入国が制限されるとのこと。
アメリカ移民局はかなり冷徹らしい。
実際に韓国で組織的に出産目的で入国した妊婦さん達が処罰を受けたという話もネットでひっかかってきた。
ついでに思い出したけど、多くの航空会社で国際便の場合には妊婦さんの搭乗には制限があったような記憶もある。
そういう厳しい情報をゴロゴロ拾ってみると、こんなハイリスクでアメリカ国籍を持つ子供を産むメリットって・・・?と、疑問の方ばかりが膨らんでしまった。
・・・まあ、入国については、過去に留学ビザで滞在していた経歴がある人達だから、そういうビザを持って入国するならくぐり抜けることは可能かもしれない。
でもなあ・・・。
ちなみに、件の旦那さんは「アメリカかぶれ」っぽいらしい。
でも、申し訳ないけれど私にとってはアメリカってかぶれる程ステキだとは思えない。
過去に数回、仕事でアメリカの複数の会社およびそのスタッフと密接な取引関係で仕事をすることがあったけれど、正直「なんじゃこのロクでもない仕事ぶりは?」「日本人をなめんなよー!」と言いたいコトが山ほどあった。
確かに大きな国力で未知の可能性に満ちた国だとは思うけれど、別に国籍を取得しなくても、外国人のままでもアメリカを土俵に活躍する機会は十分得られるんじゃないかと思う。
それだからこそ、アメリカなんじゃないの?
それを敢えて国籍を取得してみたとしても、徴兵制度や宗教観や人種差別などアメリカ人の抱える義務や問題を考えたら、かぶれた程度で欲しがっていいものではないように思える。国籍って。
国籍・・・・・・
うーん、難しい問題だ。
私自身は別に外国行った時に「日本人」って国籍をデカデカとぶら下げて歩きたいと思うコトはないし、他の国の国籍が羨ましいとも思ったコトもない。
ただ、自分の国がその名前を聞いただけで偏見の目を向けられるような悪印象の国であって欲しくはない、とくらいには願っている。
そして何より、どんな国に行ったとしても、国籍なんかよりも私自身を見て、知って、受け入れてもらえるような人間になれたらいいな、と思う。
わざわざ意図的にどこかの国籍を得ようとしなくたって、そういうシンプルな気持ちだけじゃやってけないモノなのかな?