プチ反逆児だった

これまたHanadaさんのブログにあったお話に触発されて、自分の子供時代を振り返ってみた。
自分がまだ小学校低学年くらいの頃から、母から言われて悔しいと思う言葉があった。
「養ってもらってるくせに!」
それに対する私の答えはコレだった。
「誰もそんなコト頼んでない!」
そして母が返す言葉はコレだ。
「じゃあ出てけ!」
かくして私は家を出る。
昔はよくこのパターンをやった。
たいていは日帰り家出なんだけど、中学校の頃に2回くらい1泊家出もあったかな?
しかしそれも、親同士で連絡を取り合っている”形式的家出”だったりする。くっそー。
たかが小学校2年くらいの子供が意地張って家を出たって何ができる?・・・と言われそうなんだけど、そこはやはり(たかが)2年生らしい発想があった。
「春は桜の実とツツジの蜜がある。
夏は桑の実がある。
秋に栗やどんぐりを拾っておいて、冬はそのストックで乗り切ろう。
でもやっぱり本当はもっと山奥や南の海に行く方が、食べ物が多いかなぁ?」

オマエはどこの小動物だ!?
・・・とツッこんでやってください。
子供心ながらも母の言い様に対して私は、
「別に好き好んで生まれてきたワケでもなければお願いして養ってもらってるわけでもない。こちらに選択権のない理由で封じ込められるのは理不尽だ!
そんな目に遭うくらいなら、小学生でも働かせてもらえるトコロがあるなら働いて自力で生きることにチャレンジしたって構わん!
養ってもらっていることを盾にして、納得できないダメ出しをされるのはイヤだ!」
そんなコトを考えながら漠然と家から遠い方へとてくてく歩き続けるものの、心細くなったのか話を聞いて欲しくなったのかの理由で結局会社帰りの父を駅で掴まえて、一緒に家へ帰るというオチでプチ家出は終わる。
私の母はこう言ってはなんだけど、かなり長いこと「親の権威」に固執していたと思う。
理屈や中身に関係なく、親というものは、親だというだけで尊敬され感謝されるべき、普遍的に子供にとって目上な存在であるという考えだ。
とはいえ現在は多分その考えはある程度変化していて、もう「権威」なんてサラサラ考えちゃいないと思う。きっと私か私の兄あたりと何度か口論するうちに、どこかで挫折したか悟ったんじゃないかと思われる・・・(-_-;
でも、たた変化したのではなく、私の希望的観測としては、多分、「親の権威」は最初から備わっているものではなくて、いつか信頼関係の上に確立されてゆくものなのだということを実感で理解したんじゃないかと思う。
私は、私のことを養ってくれた両親を尊敬しているのではなく、私のことを大切にしてくれた両親を尊敬している。
親は、子供を育てる上でその点を勘違いしちゃいけないと思う。
それから、昔の私自身の問い掛けについて、私なりの答えがある。
私は、ちーちゃんやゆーちゃんを自分が「養ってあげている」とか「育てている」(←便宜上、表現として使ってはいるけれど)とは思っていない。
私が自分の意思で彼女達を産みたいと思って産んだ。
こんな仲の良くない夫婦で、大して裕福ではない、精神的にもあまり大人とはいえない人物を両親に持って、彼女達は苦労するかもしれない。
そう考えると、口が裂けても「養ってあげている」なんて言えない。
そして、極論ではあるけれど、親がいなくてもそれなりに(生物学的な障害がなければ)子供は勝手に育つだろう。
でも、私は自分の子供ができるだけ幸せに育って欲しいと願っているから(その思いが子供のハタでヤキモキするだけで何の役にも立たないかも知れなくても)、彼女達が自ら育つ手助けをしている。そして、厳密にはこの「育つ手助けをしている」ことを、私は「育てる」と表現している。
だから、自分が親だという、その地位を理由に子供に対して偉そうに振舞おうとは考えない。
ちゃんと自分が信頼され、そしてできれば尊敬される人物として子供達から認められることで一目置かれれば、それが一番いいコトだと思う。
そして、子供達がいろんなことを自分なりに考えられるようになった時に、何の見返りも理屈も不要な、お互いを大切に思うことのできる存在があることの幸せを感じてもらえたら、「親の権威」なんて別になくても、幸せな親子関係でいられるだろう。
・・・・・・
うーん、また、頭でっかちかな?
今はそう思っていても、これから育児を長くやってゆくうちに、いろんな物理的な苦労の積み重ねが「養ってやってるんだ!」と言いたい気持ちを芽生えさせちゃったりするのかな?
少なくとも今現在は本当にそう思っていないのだけれど、これからだんだんと、育児が家族内だけの事柄ではなくなるにつれて、社会的なものに対するプレッシャーなどから育児に対する義務感が増加して、そういう気持ちが出てくるのかも知れないのかな・・・。
でもとにかく、子供の側に立って考えることを忘れないように、親としての言動を心がけたい。
なんだか子育てって、自分の子供を育てるのと一緒に、子供時代の自分を癒しているみたいな感じがするなぁ〜。。。