「ワールド・トレード・センター」を観た(かなりネタバレ?)

スネーク・フライト」とコレとどっちを観るか迷った末に、こっちにした。
正直ちょっとくらい泣かされたいかなぁ〜って気分で観に行ったのだけど・・・結果としては、泣かなかった。私の涙腺が案外しっかりしてきてしまったのだろうか?
作品の総評としては、まずまずいい出来だったと思う。
ただ、状況を比較的バランスよく追っている分、いまひとつ深さを感じなかったというか、再現フィルムがすごく豪華なNHKドキュメント的な印象だった。
私の好みとしては、ピンポイントになってもいいから、どこかをしっかり掘り下げて描いてくれるか、それでなければ、逆にもっと大きな規模にしてしまって欲しかった感じがする。
ストーリーをざっと説明すると、基本は2001年9月11日にワールド・トレード・センターで生き埋めになってしまった警官が九死に一生を得る話。
前半は警官達が現場に向かうまでの経緯の話で、生き埋めになってからは、身動きできないながらもなんとか意識を保って救助を待つ様子と、安否を気遣う家族の話に移る。終盤の方では発見されてから救助されるまでの流れになる。
あの日、こんなことになるなんて誰も想像していなかったということ、生き埋めになって身動きが動けない時、どんなことを考えるかということ、待つことしかできない家族の苦しさとの葛藤、目の前の惨状をなんとかしたいと思う市井の人たち、命懸けで救出作業を行う人たち、それぞれの思いはみな全て、生きていることの素晴らしさ、命の大切さを指し示している。
一人ひとりの思いが重さを持っている分、あともう少しずつ掘り下げて欲しかった。惜しい、オリバー・ストーン
先に公開した「ユナイテッド93」を足して上映時間を2倍以上にしても良かったくらいだ。(でもあんまり上映時間が長い映画は採算が難しいんだよね)
この映画を観てふと思い出したのは、新潟地震の時に土砂崩れに遭った車の中から3歳の男の子が助け出されたエピソードだった。
生きているかどうかそこにいるのかどうかも曖昧な上に誰もが大変な状況で、小さな男の子を沢山の救いの手が助けあげることに成功したニュースを見たとき、嬉しくて泣けてきた。
何もかも絶望的な状況の中に奇跡があって、残された家族の願いがあって、見知らぬ人達の優しさと努力が実を結んだことがとても嬉しかった。
オリバー・ストーンが伝えたかったのは、そういうことなんじゃないかと思う。
ところで、映画のパンフレットには物語のモデルになった実在の警官2人の写真もあったのだけど、ウィル・ヒメノ氏は実物も結構可愛らしかったりする♪
難点らしい難点はなかったけれど、私のツボを若干外している分etc.を差し引いて、評価は65点ってところかな?