「半島を出よ」を1/4ほど

まだ読了していない。今読んでいるあたりは多分ストーリーの中ではもっともイライラするところなのかなぁ?
初めて読む村上龍作品なので、これ1つでこの作家のスタイルを断定することは出来ないけれど、ホントに真面目な文章を書く人だなぁ・・・と思った。
話の最初の方だから仕方がないのかも知れないけれど、なんか、登場人物が結構多いのに、一人ひとりのバックグラウンドを語り過ぎているような印象がある。しっかりとしたフィクションを書く人は、各登場人物の背景や性格をしっかりとイメージするものだというのはわかるのだけど、それを丁寧に扱い過ぎてしまってストーリー展開をちょっともたつかせているように思える。
この先その真面目さが報われる展開になっているといいんだけどなぁ。。。
ちなみに、この小説に出てくるイシハラさんの(まだストーリーの1/4分しか知らないけれど)考え方は自分と似ていると思った。←なんて言ってしまうのはちょっと恥ずかしいんだけど・・・
「多数派でなくてよかった」というくだりが。
しかし、そういう考えに共感できる人間が必ずしも社会ののけ者ばかりというワケではないことを、私としては一応言っておきたいと思ったのと、多数派は多数派の事情があって、あるべくして存在しているモノだということを少数派は理解した方がいいと思うし、それが互いにできれば、多数派がいて、少数派がいても世の中それなりに幸せになれるんじゃないかとも思うんだけどなぁ・・・と、読みながらひとりごちてみた。
・・・”ひとりごちる”って不思議な言葉だなぁ。
すごく端的なことを言えば、確かに多数派的な生き方は「個」に対して大なり小なりのストレスを与えるものなのだけど、少なくとも私は毎日が生きるか死ぬかの世界では子育てしたくないし、そんな世界では子育てどころか自分自身もままならない気がする。
で、世の中の人間が自分の家族を守りたいと思って生きていたら、動物として身体的にいろいろ不便のある人間が、家族をうまく守りながら互いの利害のバランスをとりながら生きようと思ったら、その結果が”社会”になるんじゃないかと思う。
だから、多数派でありながらも多数派という集団を客観的な視点からでも見ることができる自分、もしくは少数派でありながらも多数派に紛れ込むことができる自分になりたいなあ、と思いながら生きている。
「半島を出よ」の評判をネタバレなしで拾ってみた限りでは、このお話のラストがバッドエンドだというニオイは感じていないのだけど、この先どうなるのかな?さてさて。
・・・では、そろそろちーちゃんのお迎えにいかなくては。