好きな小説がドラマ化するのって難しい・・・

今週はゆーちゃんの水疱瘡に付き合ったついでに久々にDVDをレンタルしてきた。
千と千尋の神隠し」と「レミーのおいしいレストラン」と「きかんしゃトーマス」と・・・あとひとつ。
アメリカの)テレビドラマ版「ザ・スタンド」!
スティーブン・キングの小説はいろいろと映画化されているけれど、当たりハズレがいろいろと。。。
そのへんに関してはキング本人もいろんな場面で言及しているようなのだけど、確か、私の記憶が正しければ、このテレビドラマ版「ザ・スタンド」は映画と違って上映時間をあまり心配せずに製作できている分、わりと満足している・・・と聞いたように思った。
で、その記憶に期待して、前・後編のうちの前編を借りてみたのだけれど。。。
う〜ん、思いっきり、原作が好きな私にとっては残念な結果に終わっていた。
まあ確かに、作者としては不満は少ないのかもしれない。前編の部分だけではあるけれど、話の大筋はさほどカットされておらず、概ね原作通りに進んでいた。(とはいえ、一部の登場人物はバッサリ切られていたけれど)
確かにそれなりに話をシンプルにしようとするならば、登場人物のうちの何人かを切り捨てればその分まとめやすくはなったとは思う。
ただ、私がここで残念に思ったのは、そのまとめやすくした分がもっといい演出にするのに役立ったのではなくて、単に原作をよりダイジェストで早回ししただけな感じになってしまったことだった。
あの、文庫本の1巻目にあった、アメリカ(というか、多分世界すべて)が滅亡してゆくまでの鬼気迫る流れがザザザーッと流されてしまっていた。。。
これだったら、原作にある人間に対する描写のこだわりをもっと残して、代わりにストーリーをがっつり改変してしまった方がまだいいように思える。例えば主役級の人間とその周辺の話をバッサリ切って、代わりに残った方のストーリーを厚くするとか。
あと、(これは製作当時の1994年に、どんな役者がいたかってこともあるとは思うけれど)主役の一人であるスチュー役がゲイリー・シニーズだったことが、微妙に合わないと思った。
「ザ・スタンド」を一度も読んだことがない人にもイメージしてもらえるように説明すると、この話に出てくるスチューという人物は、わびしい田舎町に生まれ育ち、現在は男やもめの貧乏一人暮らし、電卓を作る工場のラインで働いているけれど不景気で仕事は時短させられているという冴えない状況にあって、ただ、生まれながらの貧乏とはいえ高校ではアメフトやっててスポーツ推薦で大学へ行けたかもしれないというカッコいいガタイの持ち主で、母親思いで奥さん思い(←どっちも死んでるけど)という好人物だ。
こういう人物を演じるとしたら・・・本当はカッコいいのに自分がカッコいいことに気づいていないという、ちょっと垢抜けない感じを出せる方がいいと思うのだけど、この役をやっているゲイリー・シニーズは普通に目がキラキラしていて頭が良さそうでカッコよかった。
これが、う〜ん、なんか〜、なんか違うぅ〜。
多分、原作なんか知らないで観たら良かったのかも知れないけれど・・・。
なんてことを考えるうちに、ふと、
「じゃあ、自分だったら誰をキャスティングする?」
という考えに頭が傾き始めた。(よくある話だ)
で・・・頑張ってみたのだけれど・・・
いやー、ムリだ。
この作業をやってみて、よく映画やドラマで”ミスキャストだ”なんて批判を聞くことがあるけれど、ミスキャストしないように全てのキャスティングをするのって、すごく難しい!と思った。
ちなみに自分がやってみたケースなんだけど、もし日本を舞台にして日本人の役者だけでやる場合で考えてみたのだけれど、なかなかうまくハマりそうなキャストは思いつけなかった。
順に並べてみると・・・

  • スチュー:坂口憲二(役のイメージは↑を参照)
  • ラリー :福山雅治(スターダムにのし上がったばかりのミュージシャン)
  • ニック :松山ケンイチ(聾唖の青年・苦労人で頭は良い)
  • トム  :香取慎吾(知的障害の男・年齢不詳でいかにもイノセントな感じ)
  • グレン :役所幸司(初老の社会学者・シニカルな分析をするけど気は優しい)
  • フラン :栄倉奈々(女子大生・可愛くて普通にいい子)
  • ハロルド:ウエンツ瑛士(容姿にコンプレックスを持つ、小説家志望の高校生)
  • ラルフ :渡辺いっけい(器用で気さくなおじさん)
  • フラッグ:市川海老蔵(悪魔)
  • ロイド :宮迫博之(強盗殺人犯だった、フラッグに忠誠を誓う男)
  • ナディーン:松雪泰子(フラッグの呪縛で40歳近くまで処女を守っている教師)
  • トラッシュ:温水洋一(放火癖のある知的障害者
  • マザー・アパゲイル:・・・無理、浮かばない(100歳過ぎの老女)

・・・オホホホホホホホホ〜(^O^;
一人ずつは頑張って考えたのだけど、並べたらバランスがおかし過ぎる。。。
自信を持ってキャスティングできたのは市川海老蔵松雪泰子宮迫博之くらいだ。
スチューに坂口憲二を入れたのは、最後のキーワードである「垢抜けない」にマッチングしたのが決定打だけど、なんか、ちょっとパッとしないような気もする。。。
ラリーについては、クールで生意気でちょっと冷たいけど根っこはいいヤツで、大事な要素に「売れる実力があるミュージシャン」というのがあるので、ちょっとやりすぎな気がしつつも福山あたりしか妥当なキャストが浮かばなかった。。。(自分の贔屓だけなら、ゴーオンゴールドのお兄さんにしたかった)
・・・ああ、そっか。
多分、こういう妄想をするんだったら、もっと自分の趣味に走ってしまうくらいの方がイメージが広がり易くていいのかも知れない。
次にこういう企画をやってみるなら、もっとメジャーな作品で、もっと趣味的な発想でやってみよう♪
そうそうちなみに、今回観たDVDでスチュー役をやったゲイリー・シニーズのことをもう1つ。
彼は役者としてはいい♪
しかし、実は配役を知らずに彼がコレに出演していると聞いた時、実は自分はすぐに「フラッグか?」と思ってた。(笑)
あの目がキラッとした感じ、悪魔の役をやった方がまさに光ると思ったんだけどなぁ〜。それに、ちょっとセクシーで知的な感じも合うし。

スティーブン・キングのザ・スタンド [DVD]

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